自動車整備士とは？自動車整備士の業務内容や資格の種類について詳しくご紹介いたします。

自動車整備士とは、国家試験を合格して、専門的な知識やスキルを活かして自動車の整備、点検、修理、検査などを行う仕事です。自動車の法定整備は義務であり、ドライバーの命、周りの人の命を守るために、自動車の整備業務は欠かせない重要な役割を担っていると言えます。新車、中古車の納車時や車検などの定期点検の際に行う整備、故障車や事故車の修理などを主に行います。

ドライバーは、定期的に車検を行い、安全に車を運行させることが義務付けられています。そこで整備士が行う業務が「車検整備」です。ドライバーから車を預かり、経年劣化や損傷個所など、メンテナンスが求められる項目を徹底的にチェック、改善します。三級の整備士は、部分的な交換や整備をすることが出来ませんが、二級の整備士から一般的な整備・点検・修理が可能となります。

突然の事故・故障により、安全に車を走らせることができない場面では、緊急のトラブルへの対応整備が必要です。自動車整備士はトラブルの原因を調査し、迅速に修理を行うことが求められます。部品の交換や修理などで問題を解決します。

分解整備は高度な技術が必要となり、国から認可を受けた「指定工場」や「認証工場」のみが作業が許されています。重要な部分であるエンジンの「オーバーホール」など、大掛かりな業務が分解整備に該当します。

ドライバーや周りの人の命を守るには、事前に事故・トラブルを防止することが大事です。自動車整備士は、そのための日頃のメンテナンスについて、専門的な知識を活かしてアドバイスを行うことも必要です。

自動車整備士として仕事をするためには、国家資格が必要です。国土交通省の「自動車整備士技能検定試験」もしくは日本自動車整備振興会連合会が実施している「自動車整備技能登録試験」のどちらかによって取得できます。資格は「一級自動車整備士」「二級自動車整備士」「三級自動車整備士」「特殊自動車整備士」などがあります。さらにガソリン、ディーゼル、二輪といったように扱う車種別にも分類されます。等級は三級から始まり、一級整備士や二級整備士のレベルに達すると、他の整備士への指導も行います。

３級自動車整備士は、中学や高校を卒業後にすぐに整備工場で働く方や、社会人で独学で自動車整備士を目指す方が最初に取る資格のことです。3級自動車整備士には「3級自動車ガソリン・エンジン整備士」「3級自動車ジーゼル・エンジン整備士」「3級自動車シャシ整備士」「3級二輪自動車整備士」があります。点検業務やカー用品の取り付け作業、エンジンオイル交換、タイヤ交換など、基本的な整備を担当します。エンジン、ブレーキ、サスペンションなどの分解整備については、3級自動車整備士が一人で行うことは認められていません。3級自動車整備士の資格を取った後に2級自動車整備士の取得を目指す方がほとんどです。

2級自動車整備士は、専門学校に通う方や3級自動車整備士の資格をすでに持っている方が目指す資格。自動車のメンテナンスや点検、分解整備なども行う資格です。整備工場で働く整備士のほとんどが所有しており、ほぼすべての業務が可能な資格です。「2級ガソリン自動車整備士」「2級ジーゼル自動車整備士」「2級自動車シャシ整備士」「2級二輪自動車整備士」に分類されます。

1級自動車整備士は、自動車整備士の資格の中で最も取得難易度が高い資格です。1級自動車整備士は一般的には「1級小型自動車整備士」を指します。1級自動車整備士は、水素自動車、ハイブリッド車、電気自動車などに関する専門知識が求められ、環境問題・安全管理面でも高度なスキルと経験・知識が必要です。また、1級自動車整備士は、整備士の育成業務(リーダー)としての能力も不可欠です。この資格を持っている人は約３％ほどと言われています。

自動車整備士は、ガソリン車やディーゼル車だけではなく、近年普及している電気自動車、水素自動車、ハイブリッド車などの専門知識も日々勉強する必要があります。自動車の技術は日々進化をしているため、常に新しい技術を学び、活かしていく探求心や向上心が大事です。車の故障の原因を特定し、問題解決する能力や、整備の際の部品の緩みなどは事故に直結するため、高い集中力や持続力も必要です。

国家試験に合格し、自動車整備士になった場合、勤務先としては、自動車整備工場、車検専門店、自動車ディーラー、ガソリンスタンド、カー用品店、中古車販売店、板金塗装工場などがあります。当然ですが、待遇や業務内容については異なりますので、詳しく確認することが大事です。